教科書の入った鞄を持って、家を出る。


「おじさん、おはようございまーす!」


「おはよう、凛音ちゃん。凄い荷物だね」


「そうなんです。もうすぐテストで」


「あぁ、テストか。勉強頑張ってね」


「が、頑張ります~」


苦笑いを浮かべながらおじさんに「さようなら」と手を振ってエントランスを出る。


おじさんじゃないけど、この荷物ホント重いんだよね。


コレ、車だから良いものの、歩きだったら最悪だよ。


倉庫着いたら煌に持たせよう。


日頃の恨みだ。ふふふ……。


そんな企みを巡らせながら歩いていると、


「凛音!」


突然呼びかけられた。


ん?


すぐに呼ばれた方へと振り向けば、


「えっ!?貴兄!?」


そこに居たのはなんと貴兄で。


「いよっ!」


その後ろには、獅鷹幹部も揃っていた。


「何だよお前、これからどっか行くのかよ」


駆け寄って行くなり嵐ちゃんに肩を組まれ、痛いほど首を絞められる。


「痛い痛い痛い。今から勉強会なのー!」


力加減を知らない筋肉馬鹿の嵐ちゃんに直ぐ様降参のポーズ。


直ぐに離してくれたけど、その後の疲労感が半端ない。


なんで朝からこんな疲れなきゃいけないのよ……。