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「ちょっと早いけど行こうかなー」



六月下旬の土曜日、午前9時45分。


あたし、東條 凛音は今から勉強会に出陣致します!


……とか言ってるけれど、内心乗り気ではなく。

本当は朝から憂鬱な気分だったりする。



「はぁ……」


なんで休みの日に勉強しなきゃいけないんだろう。


寝たいよー遊びたいよー。

でも、サボろうもんなら堕天使壱様が……。


あぅ。考えただけでも恐ろしい。


壱さん、勉強が絡むとなんであんなに怖くなるんだろう。謎だ。








イジメが解決したあの日から早一週間、あたしは平和な日々を過ごしていた。


イジメも解決し、bladeも雲隠れしたまま。


鳳皇との関係も煌が女達に口止めしたらしく、広まってはいない。


まぁ、あれからあの女達とすれ違う度睨まれるけど。


あ、そう言えば、女達からすれ違い様に言われた『アオイさんには敵わない』という言葉が気になって仕方ないんだよね。


“アオイさん”って誰なんだろう?


鳳皇にそんな人居ないし。


うーん……、今度十夜に聞いてみようかな。


って、ヤバイ。早く行かなきゃ!