「帰るぞ」
煙草を灰皿に押し付けた十夜が俺達の返事を聞く前に立ち上がった。
とうとう耐えきれなくなったか。
最近の十夜はホント分かりやすい。
けど、この様子じゃ自分の気持ちは気付いてないだろうけど。
だから感情を持て余してるんだ。
自分の気持ちをどこへぶつけたらいいいのか分からないから。
「先に出てる。雷、ごちそーさん。また来る」
「はいよ。凛音ちゃんも一緒にな」
「……あぁ」
十夜はそれだけ言うと、凛音達には見向きもせず店から出て行った。
彼方と壱も立ち上がり、凛音と陽を呼びに行く。
「雷さん!ごちそうさまでした!また遊びに来ます!」
ソファーからとことこと駆け寄ってきた凛音は陽のお陰で機嫌が直ったらしく、満面の笑みで雷に挨拶していた。
「凛音ちゃんまた来てね!次はお子様ランチも用意しとくから!」
「ホントですか!?じゃあ六人分お願いします!」
「って、俺等もかよ!!」
「わぁーい!」と両手を上げて喜ぶ凛音に、思わずツッコんでしまった俺。
……はぁ。コイツ居ると飽きねぇわ。
「まぁまぁまぁ。って、あっ!」
何かを思い出したかの様にポンッと手を叩いた凛音。
ポケットに手を突っ込んだ所でトンッと肩を押し、
「彼方、コイツ連れてけ」
彼方に連れて行くよう頼んだ。
「はいよ。りっちゃん行くよ」
「えっ!?あっ、ちょっ!煌!」
「いーから先言ってろ」


