Ri.Night Ⅰ 【全完結】




放心状態の彼女達に一つ笑みを零して、立ち上がる。



「凛音」


「大丈夫。行こう」


「……あぁ」



あたしの心中を察してくれたのか、十夜は何も言わずにあたしの手を引いてくれた。


……かと思ったら、突然ひょいっと抱き抱えられて。




「ちょ、十夜!?」


「黙ってろ」



グッと頭を押さえつけられて、腕の中に閉じ込められる。




「凛音、大人しくしてろよ。身体中痛ぇんだろ」


「……ぁ」



そう言えばさっき思いっきり女達に殴られたんだった。



「痛い~」



煌のせいで余計な事思い出しちゃったじゃない!



「……馬鹿が」



思い出したらかなり痛くなってきて。


下りようと思ったけど、十夜の腕の中で大人しくしておく事にした。




これにて一件落着。



そう思った時。






「……アンタなんか、すぐ捨てられるんだから」





不意に聞こえたその声に、十夜の足がピタリと止まった。



「……テメェ」


「煌!」



唸り声を上げて引き返そうとする煌を慌てて引き止めて、いいから、と首を横に振る。



「チッ」



煌から女達に視線を移せば、女達は懲りずにあたしを睨み付けていた。


そんな彼女達にフッと笑みを零して、一言放つ。




「安心してよ。あたし、用が無くなったら鳳皇から出て行かなきゃいけないから」




“仲間”じゃないから“捨てられる”事はない。


用が済めば出て行くだけ。