放心状態の彼女達に一つ笑みを零して、立ち上がる。
「凛音」
「大丈夫。行こう」
「……あぁ」
あたしの心中を察してくれたのか、十夜は何も言わずにあたしの手を引いてくれた。
……かと思ったら、突然ひょいっと抱き抱えられて。
「ちょ、十夜!?」
「黙ってろ」
グッと頭を押さえつけられて、腕の中に閉じ込められる。
「凛音、大人しくしてろよ。身体中痛ぇんだろ」
「……ぁ」
そう言えばさっき思いっきり女達に殴られたんだった。
「痛い~」
煌のせいで余計な事思い出しちゃったじゃない!
「……馬鹿が」
思い出したらかなり痛くなってきて。
下りようと思ったけど、十夜の腕の中で大人しくしておく事にした。
これにて一件落着。
そう思った時。
「……アンタなんか、すぐ捨てられるんだから」
不意に聞こえたその声に、十夜の足がピタリと止まった。
「……テメェ」
「煌!」
唸り声を上げて引き返そうとする煌を慌てて引き止めて、いいから、と首を横に振る。
「チッ」
煌から女達に視線を移せば、女達は懲りずにあたしを睨み付けていた。
そんな彼女達にフッと笑みを零して、一言放つ。
「安心してよ。あたし、用が無くなったら鳳皇から出て行かなきゃいけないから」
“仲間”じゃないから“捨てられる”事はない。
用が済めば出て行くだけ。


