Ri.Night Ⅰ 【全完結】





「聞いてんのか?あぁ”?」


「十夜」



珍しく怒りを露にしている十夜の服をそっと引っ張って、やめるよう制する。



「凛音」


「ありがとう」



でも、これはあたしの喧嘩だから。






十夜の横をすり抜けて、蹲っている女達の前に立つ。


立ったまま見下ろせば、彼女達は涙を浮かべたままあたしを憎らしげに睨み付けてきた。


その場にしゃがんで、彼女達の目線に合わせる。


そして──



ドンッ!!



「……っ」



さっき十夜が蹴った所と同じ壁を、思いっきり叩いた。



傍から見れば壁ドンしてるように見えるこの光景。


けれど、実際はそんな甘いものじゃない。


これは獲物を追い詰めていく為の“手段”だ。






スッと目を細め、女に近付く。



「──アンタ達は、何の関係もない妃奈を巻き込んだ」



自然と低くなる声のトーン。



「今度妃奈に手を出したら容赦しない」




女だからこれで済ませてあげるけど、次妃奈に手を出したらその時は黙っちゃいない。




「もし来るなら正々堂々と来い。その時は喜んで相手してあげる」




耳元でそう囁けば、女はゴクリ、息を呑んで俯いた。




「あ、言っておくけど、あたしプロレス大好きなんだよね。だから──」


「……っ」



「来るなら覚悟して来てね?」




──その様子だと来る事はなさそうだけど。




ちょっと低い声を出しただけでこのザマ。


こんな事ならもっと早くとっ捕まえておくんだった。


そうしたら妃奈を怖がらせなくて済んだのに。