次の日の朝、机の中を見ると何も入ってなかった。
あたしの挑戦状も相手からの手紙も。
これは挑戦状を受け取ったという事でいいのだろうか?
という事は、近々何かしら仕掛けてくるはず。
用心しとかないと。
決戦はまさかの当日、その日の放課後だった。
まさか当日に仕掛けてくるとは思っていなかったあたしは、呑気に帰る準備をしていた。
「妃奈ー、帰ろー」
「うん、帰ろ」
「……あ、東條まだ居た!」
「ん?」
教室を出ようとした時、もう一つのドアからクラスメイトが飛び込んできた。
「みっくん、どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ。お前、物理の提出物まだ出してねぇんだってな。賀川が言ってたぜ?」
「物理の提出物?」
はて?そんなのあったっけ?
「凛音ちゃん、この前出すって言ってたのまだ出してなかったの?」
「え?この前?……って、あ!もしかして妃奈に写させて貰ったあのプリント!?」
うそっ。提出したものだとばかり思ってたのに!
慌てて机に戻って、プリントを探す。
「みっくん、ありがと!」
教えてくれたみっくんにお礼を言って、職員室へとダッシュした。
「ごめんね、妃奈。ついてきて貰って」
「ううん、大丈夫。良かったね、間に合って」
「ホントだよー。じゃ、行ってくるから此処で待っててね」
妃奈に廊下で待ってて貰い、賀川先生の元へ向かう。