倉庫には十夜しかいなくて、リビングには傘下らしき人達が数人いた。


お邪魔かなっと思ってリビングには入らず、一階へと引き返す。



「凛音ちゃん、気をつけて!」



途中、あたしが階段から下りるのを見た冬吾(トウゴ)くんが慌てた様子で駆け寄ってきて。


その慌て様に思わずプッと吹き出してしまった。



「冬吾くん、落ちないから大丈夫だよ」


「何回も落ちてる凛音ちゃんに言われても説得力ないんだけど」


「……だよね~」



鋭いツッコミにエヘッと舌を出して、二人で笑い合う。



冬吾くんは鳳皇メンバーの中で特に仲の良い人で、千暁くんや勇介くんとよく一緒に居る。


年は一つ上で高二。


ちなみに同じ学校だったりする。


見た目は少し怖いけど、性格は物凄く優しくて、便りになるお兄ちゃんって感じ。



「今日、千暁くんと勇介くん居ないの?」


「あー、なんか補習らしいよ?」


「……なるほど」



二人共授業サボりまってるもんね。



















「凛音ちゃんってさ……」


「うん?」




他愛もない話をしていると、急に冬吾くんに声色が一変した。



どうしたんだろうと首を傾ければ、



「……凛音ちゃん、十夜さんの事、好き?」



突然、そんな事を聞かれた。





「……へ?」



……好き?


誰が?誰を?



唐突過ぎて、疑問符しか頭に浮かばない。