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あれから二週間が経ち、六月に突入した。


二週間前のあの日から、bladeは雲隠れしてしまい消息不明。


あたしをイジメに来ていた女子達も、中間テストがあったせいか急に静かになった。


お陰でゆっくりテスト勉強が出来た訳だけど、そのテスト勉強というのがまた厄介で。




『……陽きゅん、これ分かる?』


『んにゃ。全然』



お馬鹿代表のあたしと陽きゅんは、テスト範囲を見て顔面蒼白。




『良かったら俺が教えてあげようか?』



『壱さーん!』

『壱ー!』



どうするどうすると慌てふためいていたあたし達に救世主壱様が現れた。



……と思っていたけれど。



『……凛音ちゃん?これは何?』



それは大きな間違いだった。


救世主だと思っていた壱さんは勉強が始まるなり鬼と化し、あたしと陽きゅんは屍化。



『うぅ……』



顔はいつもと変わらずキラキラ笑顔なんだけど、身に纏っているオーラが半端無くて。


何度いつもの壱さんに戻ってと願った事か。


まぁ、あたしが馬鹿なのが悪いんだけどさ。