Ri.Night Ⅰ 【全完結】



……嫌だ。


嫌だ……!!


なんで……、


なんで中田にこんな事されなきゃいけないの?



嫌だ。触らないで。




……助けて。



助けて、



「十夜----!!」










「……っ、」



突然の大声にビクリと揺れた中田の身体。


手首を掴む力が緩くなったのを感じて、直ぐ様自由になった右足で中田の腹部を思いっきり蹴り上げる。


少し掠っただけで直撃はしなかったけど、でも、そのお陰で手首の拘束が無くなり、中田との距離が少し空いた。




「……油断ならねぇ奴だな」


「油断する奴が悪いんじゃない?」


「……ハッ。やっぱ面白ぇわ、お前」


「………」


「桐谷を呼んでも無駄だぜ?アイツは此処には来ない」



クククと肩を震わせながら笑う中田からは余裕が滲み出ていて。


十夜が此処に居るなんて露ほども思っていないようだ。





「……もうすぐ来る」


「来ねぇよ。お前のツレは今頃下の奴にボコられてる筈だからな」


「なっ!?」



十夜がボコられてる?


そんな訳ない。




「十夜は負けない」


「あぁ?桐谷?桐谷は此処には──」





「──凛音に近付くんじゃねぇよ」