……嫌だ。
嫌だ……!!
なんで……、
なんで中田にこんな事されなきゃいけないの?
嫌だ。触らないで。
……助けて。
助けて、
「十夜----!!」
「……っ、」
突然の大声にビクリと揺れた中田の身体。
手首を掴む力が緩くなったのを感じて、直ぐ様自由になった右足で中田の腹部を思いっきり蹴り上げる。
少し掠っただけで直撃はしなかったけど、でも、そのお陰で手首の拘束が無くなり、中田との距離が少し空いた。
「……油断ならねぇ奴だな」
「油断する奴が悪いんじゃない?」
「……ハッ。やっぱ面白ぇわ、お前」
「………」
「桐谷を呼んでも無駄だぜ?アイツは此処には来ない」
クククと肩を震わせながら笑う中田からは余裕が滲み出ていて。
十夜が此処に居るなんて露ほども思っていないようだ。
「……もうすぐ来る」
「来ねぇよ。お前のツレは今頃下の奴にボコられてる筈だからな」
「なっ!?」
十夜がボコられてる?
そんな訳ない。
「十夜は負けない」
「あぁ?桐谷?桐谷は此処には──」
「──凛音に近付くんじゃねぇよ」


