「……っ、」
阻止したのは背後に居た中田で。
「離して!!」
掴まれた腕を振り払おうと力一杯自分の方へと引き寄せるけど、ビクともしない。
「ちょっ……!!」
何の抵抗も出来ないま腕を引かれ、壁に追い詰められる。
「離して!!」
「おっと」
スマホを持った手を振り上げれば、軽々と受け止められて。
それでも諦めなかったあたしは、直ぐ様右足を中田の横腹目掛けて振り上げた。
「……チッ」
けれど、それも止められてしまい、反撃する暇も無く両足の間に右足を割り込まれる。
「どいてよ!!」
密着する身体。
募っていく嫌悪感に動揺が隠し切れない。
何とかしてこの状況から逃れようと両手を動かすけど、どうやっても男の力には勝てなくて。
「離してってば!大声出すからね!」
苦し紛れにそう叫んだ。
「──大声出してもお前のツレは来ねぇよ?」
耳元で囁かれたその言葉に目が見開いて。
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
「それってどういう………っ、」
問い詰めようと顔を上げようとした時、不意に感じた首元への感触。
「やっ……!!」
それが何か分かった時にはもう、耳元で小さなリップ音が響いていた。


