「今の内に来た方がいいと思うけどな。長く居れば居るほど情が湧いてくる」
「………」
「いずれ鳳皇から出るのなら、最初から俺んとこに来た方が良いと思わないか?」
まるでそれが正しいとでも言う様にクスッと余裕の笑みを零した中田に、眉根が引き寄った。
“長く居れば居るほど情が湧いてくる”
そんな事、アンタに言われなくても分かってるし。
「……もし鳳皇から出たとしても、アンタの所へ行くつもりはない」
「………」
「これ以上あたしに構わないで」
そう吐き捨てると、あたしはくるりと踵を返して歩き出した。
早く十夜に中田が居る事知らせないと。
中田は十夜が此処に居る事気付いてなかったみたいだし、今なら簡単に捕らえられるかもしれない。
そうだ。こうしてる間に煌に電話しよう。
鳳皇メンバーの誰かがこの繁華街に居るかもしれないし。
そう決断するや否や、あたしはポケットからスマホを取り出してロックを解除した。
そして、ダイヤルボタンを押そうとした時……。
「な……っ!?」
突然、それを阻止された。


