「おはよう矢野くん!」
「おはよう東條さん。あ、怪我大丈夫?まだ痛い?」
「ううん、全然大丈夫!あたし見た目通り頑丈だから。ありがとう矢野くん!」
右腕を上げて、ホラ、と力こぶを見せると、プッと吹き出した矢野くん。
「東條さんって面白いね。でも、昨日の今日だからあまり無理しちゃ駄目だよ?」
「うん。気をつける!」
了解、とピースすれば、矢野くんはまた吹き出して。
それにつられてあたしもエヘヘと笑う。
「あっそうだ、服返すね。ホントにありがとう!」
Tシャツの入った紙袋をハイッと矢野くんに差し出すと、矢野くんは目を真ん丸にしながらそれを受け取った。
「えっ?もう洗濯したの?いつでも良かったのに」
「ううん、そんないつまでも借りておけないから!」
って言っても、洗濯したのは十夜なんだけどね。
「……あの、さ。昨日はごめんな?」
「うん?」
昨日?
気まずそうにそう言ってきた矢野くんに、ん?と首を傾げる。
「矢野くん?」
「その……ワザとじゃないから」
ワザと?
「……あ」
その一言で昨日の出来事を思い出した。
多分、矢野くんはあの時の事を言っているんだろう。
「や、矢野くん、気にしてないから謝んないで!、それに矢野くんがTシャツ貸してくれなかったらあたしそのままの格好だったし!あたしが謝んなきゃいけないぐらいだよ!」
申し訳なさそうに謝る矢野くんに何なんだかもの凄く悪い事をしたような気がして、力一杯手を振って否定する。


