「いてー!凛音はぎゅーってしなくていいから!」
「照れるなよ、陽きゅん」
フガフガともがいてる陽を無視して、更にキツく抱きしめる。
満足した後離してあげると、陽きゅんは涙目になりながら肩で息をしていた。
……陽きゅん、可愛い。
頭を撫で撫ですると、「セットが乱れる!」と怒り出す陽きゅん。
「ふふふ。かわゆい」
十夜と違って分かりやすいから好きだよ。うん。
ん、と陽に手を差し出せば、怒っているくせに素直に手を差し出してきて。
ぎゅむと手を繋いで歩き出す。
あたしに引っ張られながらもまだプリプリ怒ってる陽に「ごめんね?」と謝ると、
「……俺もごめん。昨日、体育の時怪我したんだろ?俺がいたら保健室ついて行ったのに。一人にさせてごめんな」
陽はしょんぼり下を向いて、小さな声でそう謝罪した。
「なんで陽が謝るの?怪我したのは自分が悪いんだし、保健室ぐらい一人で大丈夫だよ。それに、矢野くんが着いて来てくれたから」
陽のせいじゃないんだから謝る必要なんてないのに。
「矢野が?……そっか、アイツ優しいもんな。でも、ごめんな」
「だから謝んないでって!それより陽!」
「なに?」
「怪我した事、十夜と煌には言ってないから黙っといてね」
立ち止まったあたしは、陽の耳元でそう口止めをした。


