Ri.Night Ⅰ 【全完結】



「いてー!凛音はぎゅーってしなくていいから!」

「照れるなよ、陽きゅん」



フガフガともがいてる陽を無視して、更にキツく抱きしめる。


満足した後離してあげると、陽きゅんは涙目になりながら肩で息をしていた。



……陽きゅん、可愛い。



頭を撫で撫ですると、「セットが乱れる!」と怒り出す陽きゅん。



「ふふふ。かわゆい」



十夜と違って分かりやすいから好きだよ。うん。



ん、と陽に手を差し出せば、怒っているくせに素直に手を差し出してきて。


ぎゅむと手を繋いで歩き出す。



あたしに引っ張られながらもまだプリプリ怒ってる陽に「ごめんね?」と謝ると、



「……俺もごめん。昨日、体育の時怪我したんだろ?俺がいたら保健室ついて行ったのに。一人にさせてごめんな」



陽はしょんぼり下を向いて、小さな声でそう謝罪した。



「なんで陽が謝るの?怪我したのは自分が悪いんだし、保健室ぐらい一人で大丈夫だよ。それに、矢野くんが着いて来てくれたから」



陽のせいじゃないんだから謝る必要なんてないのに。



「矢野が?……そっか、アイツ優しいもんな。でも、ごめんな」

「だから謝んないでって!それより陽!」

「なに?」

「怪我した事、十夜と煌には言ってないから黙っといてね」



立ち止まったあたしは、陽の耳元でそう口止めをした。