Ri.Night Ⅰ 【全完結】



「と、十夜が悪いんだからねっ!」



熱くなってる顔を両手で覆いながら少しずつ後退する。



「お前、いきなり頭突きかますんじゃねぇよ」


「し、知らない!」




──そう。


何を隠そう。あたしは今、叫びながら十夜に頭突きをかましたのだ。


でも、それはあたしが悪いんじゃない。


あんな事する十夜が悪いんだ。




「オイ。さっき言った事守れよ」

「は?」



さっき?

あ、陽に言えって言った事?



「なんで陽だけなの?」



そう問いかけると、何故かフイッと逸らされた視線。



……分からない。

十夜って何を考えてるのか全く分からない。



「十夜?」



後退するのを止め、もう一度十夜の元へ膝歩きで寄っていく。


十夜の前まで来ると、そこにゆっくりと腰を降ろした。


すると十夜は、



「俺らと関わると目立つだろ」



顔を背けたままそう呟いた。



一瞬、何を言ってるのか解らなかったけど、すぐにその言葉の意味が理解出来て。


グッと唇を噛み締める。



「……十夜、ありがと。何かあったら十夜達も呼ぶから」



一緒に居るとあたしが嫌な思いをするかもしれない。


だから陽に言えって言ったんだね。


まさかそこまで考えてくれてるなんて思いもしなかったよ。