いや、さすがに目を開けては寝ないよね。
じゃあ、勝手に頭を撫でて怒ってるとか?
それともあたしが昨日爆睡してて帰れなかったからとか?
まぁ、理由は何にせよ、とりあえず謝っといた方がいいよね。
「と、十夜?昨日はごめんね?あたしが寝ちゃったから帰れなかったんだよね」
まだ横になっている十夜に両手を合わせて、「ごめんなさい」と頭を下げる。
すると……。
「わっ」
突然、首に腕を回されて、グイッと強く引き寄せられた。
気付けば寝ている十夜の上に倒れ込んでいて。
「ちょ……、」
目の前に迫る十夜の綺麗な顔に心拍数が一気に跳ね上がった。
「──お前、何かあったらすぐに陽に連絡しろ」
「………は?」
え、なに急に。意味分かんない。
っていうか、この体勢なに!?
突然の急接近に、軽くパニック状態になるあたし。
何がどうなっているのか全く理解出来なくて。
取り敢えずこの体勢をどうにかしなきゃと両腕に力を込めた。
「……っ」
けれど、まるで逃さないとでも言うように強くなる十夜の腕の力。
それに負けまいと力を込めれば、十夜もまた力を込めた。
引いては引かれ、引いては引かれ。
地味な攻防を何度も繰り返すあたし達。
もー!十夜の馬鹿!離してよ!


