Ri.Night Ⅰ 【全完結】


でも、もし逃げて捕まったら?

その時はやるしかないよね。

じゃないと自分の身が危険だし。



実はあたし、こう見えて喧嘩が出来たりする。


喧嘩、というか護身術?
ある事情があって兄や兄の友達に教えて貰った。



まぁ、最終的には格闘にハマって自分で研究もしたんだけど。



少し前までは友達と組手という名の“遊び”をよくしていた。

実際に喧嘩する事なんて滅多にないけど。



その滅多にない機会が、まさか引っ越し早々に起こるなんて思いもしなかった。



あぁもう、全くもって嬉しくない。

寧ろすっごい迷惑!何でこんな事に巻き込まれてるのか分からない。



そうだ。この機会に誰でもいいから一発殴っておこうか。


……いや、待てよ。駄目だ。よく考えたらもうすぐ高校生になる。

もしかしたらこの場にいる誰かがあたしの顔を覚えているかもしれない。


喧嘩してるのを見て言い触らす可能性が……。



有り得ない。有り得なさすぎる。

そんな事になったらこっちの学校へ来た意味がないじゃない。


“暴力振るう女”


そんな噂が広まったら絶対男なんて寄って来なくなる。それだけは避けなきゃいけない。


じゃないとあたしの“彼氏ゲット!”作戦がパーになってしまう。


と言う事は、やっぱり下手に動かない方がいいのかな?




そんな事を考えていると、いつの間にか周囲が静かになっていた。