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「ん………」



大きな揺れに身体が傾き、目が覚めた。


そっと目を開ければ、飛び込んできたのは見慣れた景色。


どうやら寝ていたのは数分程度だったらしい。




「凛音ちゃん、もう着くよ」



その言葉にバックミラーを見ると、タイミング良く壱さんと目が合って。


にっこりと微笑んでくれる壱さんにエヘッと微笑み返した。



あ~、やっぱり壱さんは癒しだ。









壱さんの言葉通り、溜まり場には2、3分で着いた。


車から降りる準備でもしようと身体を起こした時、



「ぅわっ」



車が停車する前に目を開けた十夜さん。


タイミングが良すぎるお目覚めに、思わず飛び上がってしまった。



……十夜さん、お知らせレーダーでもついてるんですか?













「こんにちは~!」



車から降りると、恒例の挨拶タイムが始まり、みんなの後ろをついて行きながらあたしもメンバー達に手を振る。



「凛音ちゃん!」

「あ、勇介くんもう来てたんだ~」



一階にある大部屋から出てきた勇介くんに「やっほー」と手を振れば、



「凛音ちゃん、もうすぐ千暁来るらしいからさ、プロレスしようぜ!」



来て早々そんなお誘いが。



「するする~!」


もちろん乗らない訳がなく。「わーい」と手を上げて喜ぶ。