ちょっとちょっとちょっと!
嘘でしょ!?喧嘩始まったじゃんか!
どうするのコレ!?あたしいつトンズラかませばいいの!?
目の前で繰り広げられている喧嘩にもはやパニクる事しか出来ないあたし。
飛び交う罵声。殴り合う音。
中には拳で殴る音ではなく、バットや鉄パイプの金属音も響いている。
ど、どうやって逃げよう?
今すぐ?それとももうちょっと静まってからの方がいい?
「あの、怖がらせてごめんなさい。すぐに終わりますので」
「え?あ、はい……」
いつの間にか後ずさるのをやめていたあたしと男の人。
男の人は爆笑男の命令通り、あたしに誰一人近付かないようにしているのか終始周りを気にしていた。
今の言葉といい、この人は見ず知らずの女をちゃんと守ってくれようとしてる。
それが例え命令された事だとしても素直に嬉しかった。
だけど、あたしはやっぱり此処から逃げたい。
守ってくれるのは有り難いし嬉しいけど、あたしはこんな喧嘩に関わりたくないから。
だから、ごめんね。
ホントはこのまま守られてるのもいいかなって思ったけど、ただ守られてるだけっていうのはあたしの性分に合わないみたい。
今なら乱闘になってるし、あたしなんて誰も気にしていないよね。
この人には申し訳ないけど、逃げ出すには今しかない。


