「おっはよー妃奈。今日も可愛いね～」



最早日課となっているハグをして、席に着く。


鞄から教科書を取り出して机の中に突っ込むと、



……ん？プリントかな？



奥の方で何かに引っ掛かった。


取り敢えず教科書を膝の上に置き、手を突っ込んでみる。


すると、指先に触れたのは紙らしきもの。


それをそっと取り出して、教科書の上に乗せた。


うん。やっぱ紙だ。


と言うよりも、封筒といった方が正しいけれど。



……何これ？こんなの入れたっけ？

入れた覚えないんですけど。



ジッと封筒を見つめて考えてみるけど、やっぱり心当たりは無い。


封筒の表にも裏にも何も書かれてはいないし、これがあたし宛てなのかどうかも分からない。



陽に聞いてみよう。


そう思って顔を上げたのに、一緒に来たはずの陽がいなくて。


キョロキョロと教室を見渡せば、さっき茶化しに来たクラスメイト達と談笑している陽を見つけた。