あたしの、為?
あたしの為に嫌な思いをしてまで学校に来てくれてるの?
「あたしが……中田に連れ去られそうになったから?」
だから毎日来てくれてるんだよね?
送り迎えもしてくれるって言うし……。
「オイ、凛音、気にすんなよ?十夜達は自分の意志で来てるんだ。凛音が気にする事じゃない」
「だけど……」
「俺は、お前に何かあった方が嫌なんだからな!」
「……陽」
ありがとう。そう言ってくれて。
「ホラ、そんな顔してたら西上に心配されるぞ」
「うん」
そうだね。
ニッと笑う陽に小さく頷いて、「おはようみんな!」とクラスメイト達に大きな声で挨拶した。
「はよー。朝っぱらから元気だな、東條」
「それだけが取り柄だからねー」
「そりゃ言えてる」
「何だとコラ!」
「ちょ、暴力反対!!」
教室に入るなりじゃれ合うあたし達に、ヤレヤレといった表情で先に歩いて行く陽。
それに慌てて着いていけば、
「凛音ちゃんおはよう」
既に登校していた妃奈があたしを見てクスクスと笑っていた。


