「あー、あれな。前、十夜が付き纏う女を思いっきり怒鳴りつけた事があるんだよ。普段はガン無視するんだけどな。その時は色々あって機嫌悪かった時でさ。

その一件から、みんな怖がって遠巻きに見るようになったんだ」



……成る程。そういう事だったのか。


そりゃ、あの不機嫌オーラ丸出しの十夜に怒鳴られたらビビるよね。

だってあの威圧感半端ないんだもん。


でも、あのクールな十夜が怒鳴るとか、よっぽど虫の居所が悪かったんだね。


どれだけ騒がれても素知らぬ顔で無視してそうなのに。



「ってか、凛音、早く行かねぇとチャイム鳴るぜ」

「うん」


差し出された手をギュッと握って、仲良く教室に向かう。



「そういえば、十夜達っていつでもあんなに騒がれてるの?」


「あー、学校に来たらいつもあんな感じだな。前はアレが嫌で学校来なかったんだけど」


「前は?って最近はサボってないの?」



まだ付き合いは浅いけど、毎日学校行ってそうに見えたんだけど。



「今は凛音がいるからな。十夜って優しいからさ、気になって出てきてるんだと思う。まぁ、来ても授業はサボってるみたいだけど」