Ri.Night Ⅰ 【全完結】



あー、もう!こうなったら隙を見て逃げよう!


喧嘩に巻き込まれるなんて真っ平御免だ。


逃げよう。ダッシュで逃げよう。喧嘩が始まる前に。



そう思った時。




「アイツは関係ねぇ。……中田、これ以上ガタガタ吐かすとどうなるか分かってんだろうな」



重圧感のある声が公園内に響いた。



「どうなるんだよ」



けど、キモ男はその重圧感など物ともせず言い返す。



口元には愉しそうに歪められた小さな笑み。
その笑みからは余裕さえ感じられる。




「後悔するなよ」



そう言った瞬間、失礼男の身にまとう空気が一変した。




「──やれ」




それはまるで鋭い鎌が振り下ろされたかのような一声だった。


その言葉が合図となり、周りにいた男達がキモ男に向かって一斉に走り出す。


あたしと前の人は必然的に一番後ろになり、少しずつ後ずさっていった。