「テメェ、家にいろって言わなかったか?えぇ”?」
「い、言いました言いました」
「じゃあなんでこんなとこにいんだよ」
「それはその……」
と、そう言った所である事を思い出した。
「あーーーーっ!!」
忘れてた!!忘れてたよ!!貴兄と優音のこと忘れてた!!
思い出した途端、サーッと引いていく熱。
ど、どうしよう!あたしがいない事に気付いて探しにでも来たら……。
マズイ。非常にマズイ。
もしそうなったら、鳳皇と獅鷹が鉢合わせしてしまう訳で。
……訳、で?
「ひゃーーーー!!」
ヤッバイ。それだけは避けなきゃ!!
脳裏に浮かんだ地獄絵図に、大口を開けて勢いよく首を横に振った。
「り、凛音ちゃん?」
「あたし!!」
「ぅわっ!」
顔を覗き込みにきた壱さんなんて今のあたしには一切見えておらず。
「帰らせて頂きます!!」
スクッとその場に勢いよく立ち上がるや否や、十夜達にビシッと敬礼した。
「じゃっ!!」
そう言ってトンズラをかまそうとしたけれど、
「逃がす訳ねぇだろ」
背中を向けた所で首根っこを掴まれて捕獲。
……ですよねぇ。


