走りながら器用に仰け反る男の子に軽く手を上げ、ニッと口角を上げる。
「やっぱアレ、Bladeだったんだね」
思った通りだった。
追いかけてたのは、ずっと鳳皇が探していた男達。
「よーし、あたしがとっ捕まえてやる!」
「は!?ちょ、凛音さん!?」
みんなを追い越して、奴等の背中を追いかける。
コインパーキングに差し掛かった所で千暁くんに追いついて、走りながら千暁くんの顔を覗き込んだ。
「千暁くん、あたしが行く!」
「は?え?……って、凛音さん!?」
「なんで此処に!?」と大袈裟に驚いた千暁くんの横をすり抜けて、数メートル先まで迫っている敵に向かって猛ダッシュ。
真後ろに迫った所で思いっきり地を蹴り上げると、
「食らいやがれ!!凛音ちゃんドロップキーック!!」
男の背中に跳び蹴りを食らわせた。
「ウッ……」
小さなうめき声を上げ、地面へとうつ伏せに倒れた男。
その男に馬乗りになり、ムサイ様の得意技、エビ固めを決める。
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「り、凛音さん!危ないです!」
「大丈夫!あたしに任せて!」
近寄ってきた千暁くん達にピースをして、更に違う技をお見舞いする。
「ムサイ流、暑苦腕挫十字固めー!!」
「イィッ、テェー!!」
「ホラホラホラ!早く白状しろよっ!アンタ達のボスは何処にいるの!?」
「……ッ」
「言わないとこうするからね!」
「……ッ、イィ……ッ!」


