Ri.Night Ⅰ 【全完結】



ちょっとちょっとちょっと、どーなってんの!?

なんで千暁くん達が追いかけっこしてんの!?



まさかの展開に動揺が隠しきれなくて、持っていた化粧品が商品棚の上に落下した。



と、その時。


ある事が脳裏に浮かんだ。



……もしかして、千暁くん達が追いかけてたのはBlade?



「……っ、」



その言葉を脳内で呟いた時にはもう、あたしの足はその場から走り出していた。



“アイツ等には絶対に近付くなよ”



さっき貴兄にそう言われたばかりなのに、あたしの頭の中はそんな言葉なんかすっぽりと抜け落ちていた。


その言葉だけじゃなく、貴兄と優音の存在も忘れ去っていて。


頭の中にはもうBladeの事しかない。




いたっ!!



運動神経だけが取り柄のあたしは、すぐに千暁くん達の姿を見つける事が出来た。


大通りで見つけたと思ったら、その後すぐに脇道に入っていく千暁くん達。



「ねぇ、あれってBlade?」



千暁くんのすぐ後ろを走っていた鳳皇メンバーに並び、そう問いかける。



「そうだよ!アイツ等を捕まえればトップの中田を……って、凛音ちゃん!?」


「やっほー」


「な、なん、なんで此処に!?」