ちょっとちょっとちょっと、どーなってんの!?
なんで千暁くん達が追いかけっこしてんの!?
まさかの展開に動揺が隠しきれなくて、持っていた化粧品が商品棚の上に落下した。
と、その時。
ある事が脳裏に浮かんだ。
……もしかして、千暁くん達が追いかけてたのはBlade?
「……っ、」
その言葉を脳内で呟いた時にはもう、あたしの足はその場から走り出していた。
“アイツ等には絶対に近付くなよ”
さっき貴兄にそう言われたばかりなのに、あたしの頭の中はそんな言葉なんかすっぽりと抜け落ちていた。
その言葉だけじゃなく、貴兄と優音の存在も忘れ去っていて。
頭の中にはもうBladeの事しかない。
いたっ!!
運動神経だけが取り柄のあたしは、すぐに千暁くん達の姿を見つける事が出来た。
大通りで見つけたと思ったら、その後すぐに脇道に入っていく千暁くん達。
「ねぇ、あれってBlade?」
千暁くんのすぐ後ろを走っていた鳳皇メンバーに並び、そう問いかける。
「そうだよ!アイツ等を捕まえればトップの中田を……って、凛音ちゃん!?」
「やっほー」
「な、なん、なんで此処に!?」


