Ri.Night Ⅰ 【全完結】



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「ふぃー。食った食ったー」


「……凛音、オッサンみてぇな事すんじゃねぇよ」


「む。オッサンで結構ですー」



冷めた目であたしを一瞥しにくる優音にあっかんべ-をして、さっきよりも大袈裟にお腹を叩いて見せる。


それを見た優音が更に顔をしかめたけどそんな事知ーらない。


オッサンでもなんでも好きに呼んでくれ。


あたしはこの満たされた満足感をさらけ出したい気分なんだから。



……それにしても、あの焼肉屋さん美味しかったなぁ。


あたしの美味しい店ランキングの五位に認定してあげようかな。


たらふく食べた焼き肉を思い出しながら、人の多い大通りを横断する。


その時、視界に入ったドラッグストアを見てある事を思い出した。



「ねぇねぇ、貴兄達今日泊まってくの?」



肝心な事を聞いてなかった。


泊まるのなら二人の歯ブラシとか買わなきゃいけないし。


引っ越したばかりだからそういうの全然揃えてないんだよね。



「あー、泊まりてぇけど明日学校だから無理だな」


「あ、明日学校か」



忘れてた。


まだまだ春休み気分が抜け切っていないのか、学校の事をすっかり忘れていた。


泊まっていくものだと思っていただけに、落ち込みようが半端ない。



「また近々来るからそんなに落ち込むなよ」

「……うん。待ってる」

「よし」

「……あ、じゃあさ、その時の為に日用品買って行こうよ!」



ね?、と近くにあったドラッグストアを指差すと、貴兄は「仕方ねぇな」と言ってあたしの頭をくしゃりと撫でた。