「分かったか?」
「う、うん」
ここまで関わってしまった以上、近付かないなんて出来る訳がないけど、取り敢えず素直に頷いておく。
だって、ここでバレたらどうなるか分からないし。
それに、あんなにあの学校に行くのを反対してたんだ。バレたらきっとただじゃ済まされない。
「関わったら強制送還だからな」
「……はーい」
……ほらね。
っていうか、強制送還とか有り得ないんですけど!
妃奈っていう可愛い友達も出来たのに、地元なんて絶対に帰りたくない。
それに、目的である彼氏もまだ出来てないのに強制送還なんてしたら……。
あぁ、もう、考えたくない。
こうなったら徹底的に鳳皇の事を隠さないと。
じゃないとあたしの彼氏ゲット計画がパァになってしまう。
「貴兄、優音!早く焼肉行こう!あたしお腹ペコペコ!」
「ちょ、凛音、」
貴兄と優音の腕を片方ずつ腕に絡ませ、二人を引っ張っていく。
何が何でも隠し通してやる!
で、早く中田の野郎を見つけ出してやるんだからっ!!
「優音」
「……あぁ」
気合いを入れるあたしの背後で、二人が意味深な表情で目配せをしている事をあたしは知らなかった。


