「……ちょっとぐらい教えてくれてもいいじゃない」


そっと目を閉じて一昨日の事を思い出す。



二日前のあの日、多分鳳皇の中で何かあったんだと思う。


煌は傘下と合同会議だって言ってたけど、陽に電話したらすぐ切られちゃったし。


あれは絶対に会議なんかじゃない。


だって、室内って言うより外にいるような騒がしさだったから。



「……はぁ」



分かってる。分かってるよ。

あたしには関係ないってことぐらい。


所詮あたしは部外者。彼等の仲間じゃない。



分かってる、けど。



「暇……」



我慢出来ないぐらい暇で暇でしょうがないのだ。


気分転換にスーパーぐらいって思ったけど絶対外に出るなって煌に言われたし。



「あー、暇!」



家に引きこもりだなんてストレス溜まる!!


……内緒で買い物に行ってやろうかな。



なんて、ヤケクソ気味にそう思った時だった。



──ピーンポーン。



室内に響いたのはインターホンの音。



誰だろ?宅急便かな?


重たい腰を上げ、室内に設置されているインターホンに歩いていく。


映像を映すボタンをぽちっと押すと……。



「えっ!貴兄!?」


「凛音、久し振り。元気にしてたか?」



画面の向こうにいるのはあたしのお兄ちゃん、貴音だった。