「あー良かった。アンタじゃなくて壱さんが運転手で!アンタと違って超安全運転だしね!」
「えっ!?」
ん?
あたしの言葉に反応したのは何故か煌ではなく隣にいる陽で。
ちょっとちょっと、と身を屈ませた陽に小さく手招きされる。
よく分からないまま同様に身を屈ませて陽に近寄っていけば、
「凛音。そんな事言ってられるのは普段だけだぜ?」
コソッと耳元でそう言われた。
「普段だけ?」
どういう意味だろう?
「何かあった時の壱の運転は怖ぇ……」
な、何かあった時?
「そん──」
「な事ないよ?凛音ちゃん」
詳しく聞こうとすると、壱さんにバックミラー越しにやんわりと遮られ。
「………」
っていうか壱さん、今の会話聞こえてたの?
凄まじいほど放出されているキラキラビーム。
笑顔なのに、物凄く笑顔なのに。
何故か物凄い威圧感を感じるのはあたしの気のせいでしょうか。
「あは。あははは……」
これはもう笑って誤魔化すしかない。
そうしろとあたしの第六感が告げている。
これ以上突っ込むべからず、だ。
「そういえば凛音ちゃんちってどの辺?一応、煌達と会った公園の方に向かってるんだけど」
あたしがこれ以上突っ込まないと察したのか、壱さんは話題を変え、そう問い掛けてきた。
「えっと公園の近くに〇〇っていうお店あるのわかりますか?そこの近くなんでそこで降ろして下さい」
「OK」
壱さんは虫も殺さぬ様な爽やかスマイルで微笑んだ後、慣れた手付きでギアを動かし、車を発進させた。


