「わっ!!」
突然背中を押され、頭から座席にダイビング。
「……ったぁ……」
思いっきり顔面を強打し、あまりの痛さに不格好なまま身悶える。
「……凛音、大丈夫か?」
「……大丈夫じゃない」
のそりと身体を起こして鼻を押さえながら振り返れば、「うん、どんまい」と陽に苦笑され。
一方、あたしを突き飛ばした煌はと言えば、反対側から車内に入り、澄ました顔で助手席に鎮座していた。
……この野郎。
「凛音ちゃん顔打たなかった?大丈夫?」
「……うん、大丈夫」
本当は大丈夫じゃなかったけど、壱さんに間抜け面を見られたくなかったから無理矢理笑顔を作る。
壱さんがいなかったら絶対に発狂してるし。
後部座席からギロッと煌に睨みを利かせれば、
「煌、もうちょっと優しくしてあげなきゃいけないだろ」
なんと壱さんが煌の頭をコツンと小突いてくれた。
い、壱さんラブッ!!
「フンッ。女には優しくするし。お、ん、な、に、は」
「はぁ!?」
何なのコイツ、ほんとムカツク!!
「アンタ、ちょっとは壱さんを見習ったら!?」
「なに言ってんだよ。俺、壱と同じぐらい優しいしー」
はぁ!?何処がだよ!壱さんとアンタじゃ月とスッポンだっつーの!
壱さんは笑顔が素敵で優しくて、運転まで出来るイケメン。
どこをどう見たら同じに見えるのよ!


