「オイ凛音、ジッとしてろ。つーかお前、これから一人で階段上り下りすんなよ。危なっかしくて見てらんねぇ」
「いっ!」
トントントンと軽やかに階段を下りてきた煌が、あわたふためくあたしの額を落ち着けと言わんばかりにピンッと人差し指で弾いてきた。
そのデコピンに驚き、目を瞬かせると、後ろから聞こえてきたのはクスクスと控えめな笑い声。
そろり、振り向けば、肩を苦笑している壱さんと目が合って。
その素敵すぎる笑顔に顔が一気に熱くなった。
「凛音顔真っ赤!照れてやんのー!」
壱さんの隣に居た陽にここぞとばかりに冷やかされ、
「て、照れてないし!」
照れ隠しにそっぽを向けば、タイミング良く地面へ下ろされた。
「ありがとう」
再度十夜を見上げ、一言お礼を言う。
「あぁ」
十夜は素っ気無く返事した後、後部座席のドアを開けると“乗れ”と顎で合図した。
それに軽く頷いていそいそと車に乗り込もうとした、その時。
……ん?
ふと背後から感じた視線。
その視線に再度振り返れば。
何故か倉庫内にいる殆んどの人達がポカンとした表情であたし達を見ていた。
……え?何、その顔。
「早く乗れ」


