「はい、ここ座って?」
壱さんに手を引かれ、連れてこられたのは三人掛けソファーの一番左端。
そこにストンと腰を下ろすと、その隣に壱さんも腰を下ろす。
向かいのソファーにはいつの間にか腰掛けている三人がいて。
左から爆笑男、陽、フェロモン男。
失礼男は……と、いた。
失礼男はソファーには座っておらず、あたしから見て左側、部屋の一番奥にあるあの高級椅子に座っていた。
右手には煙草。
口から吐き出される紫煙がユラユラと空を漂い、儚げに消えていく。
あの男が総長?
確か貴兄の溜まり場にもあんな机と椅子があった。
そう言えば誰かが言ってたっけ。
あれは総長だけが座れる椅子だと。
幹部でさえも座る事の出来ない椅子。
もし失礼男が座っている椅子に同様の意味があるのなら、失礼男はこのチームの総長なのだろう。
っていうかあの男が総長なのは一目瞭然だ。
見るものを惹き付けて止まないあの圧倒的な存在感と威圧感。
あたしも初めてこの人を見た時魅せられた。
あの前髪から覗く漆黒の瞳と、身に纏う不思議な雰囲気に。


