「俺もりっちゃんの勇姿見たかったなぁ~」
倉庫で待機じゃなくそっちに参戦すれば良かった、と惜しそうに唇を尖らせている変態男。
いやいやいや、見なくていいから!
っていうか倉庫中に広まってるとか有り得ないし!
「アレは忘れて!ね?うん忘れよう!」
「え?あ、はい……」
ニコニコしている男の両肩をガシッと掴み、力一杯そう告げると、男の子はあたしの勢いに押されて後退気味。
「絶対だからね!みんなも!」
男の子から視線を外し、笑いを堪えている人達にもしつこく念を押す。
「オイ、分かったから千暁離してやれよ。マジでビビってんぞ」
「……む」
その言葉に視線を戻せば。
……あらま。
爆笑男の言う通り、男の子は今にも泣き出しそうな顔であたしを見ていた。
おかしいな。
そんなに凄んだつもりないのに。
取り敢えず男の子から手を離し、一歩後退した後改めて男の子を見上げる。
「えぇーっと、千暁くん?だったよね?あたし凛音って言います。ビビらせちゃってごめんなさい。
ちょっと事情があって、これから少しの間此処でお世話になる事になりました。不束者ですがどうぞよろしく!」
あ、みんなも!
そう言って周囲にいる人達にも挨拶し、深々と頭を下げる。
やっぱお世話になるんだし、挨拶ぐらいしないとね。
そう心の中で呟いた後ゆっくりと顔を上げると。
──へ?
顔を上げた瞬間、視界に飛び込んできたのは何故かみんなの間抜け顔。


