「えっと……」
どうすればいいのか分からず、取り敢えず男の子の肩を軽く揺すってみる。
すると、男の子は申し訳無さそうに頭を上げ、
「俺がちゃんと周囲を警戒していれば中田に捕まる事はなかったんです」
そう言ってしゅんと肩を落とした。
………あ。
それを聞いてようやく気が付いた。
この男の子があの時あたしを護ってくれていたあの男の子だという事を。
「や、アレは貴方のせいなんかじゃないし、それに気付かなかったあたしも悪いし!」
あんなの、誰だって気付かないと思う。
敵が公園から出て背後から攻めてくるなんて誰も想像がつかないだろうし。
「だから、ね?顔上げてよ」
一向に頭を上げようとしない男の子にどうすればいいのか分からなくて、取り敢えず肩を揺すり続ける。
けど、それでも男の子は頭を上げてくれない。
あぁもう!
本当にアレは貴方のせいなんかじゃないんだってば!
あんな風に公園の外を回ってくるなんて誰にも予測出来なかったんだから。
「ホラ、結果的にアイツをやっつけれたしね!だから良かったんだよ。うん」
だから早く頭を上げて!
頭下げられてるのって落ち着かないの!