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「……凛音ちゃん?着いたよ?」


「へ?あ、はい」



いけないいけない。見惚れ過ぎていた。


だって、壱さんが運転してるんだもん。


見惚れてしまうのは仕方ないよね。うん。



もうね、運転してる時の姿がすっごい格好良くてね。


普段の柔らかい眼差しとは違う真剣な目が最高に格好良すぎる。


あ~ギャップが堪らない~。





「気をつけて降りてね?」


「……はい」



……あぁ、鼻血が出そうだ。





「よいしょ」



失礼男とフェロモン男に挟まれていたあたしは、先に車から降りたフェロモン男の方から降りる。


五人乗りの車には運転席に壱さん。助手席に爆笑男。


後部座席は、左からフェロモン男、あたし、失礼男の順で座っていた。


陽はバイク通学だからそのバイクで溜まり場に来るらしい。



それにしても壱さんが運転するなんて本当にビックリなんだけど。


だって、運転なんて一番しなさそうに見えるのに。


ギャップ萌えだよ。うん。萌え萌え。






「──お前、何締まりのない顔してんだよ」


「ふがっ」



ちょ……!何すんのよ!



運転中の壱さんを思い出しているといきなり背後から鼻を抓まれて。


その犯人は顔を上げなくても誰なのか分かっている。



それは、天敵とも言える爆笑男だ!


コイツは本当に最低過ぎる。


少しは壱さんみたいに優しくなれないのか!