「股間蹴りの次は膝蹴りかよ。凄ぇな、お前」
出たよ。爆笑男。
さりげなく左隣に立った男はククッと肩を震わせていて。
……あぁ、まったくもって面倒臭い。
「お前、馬鹿だろ。寄りにもよって自分から中田を呼ぶか?」
「しょうがないじゃん!っていうか元はと言えばアンタ達が悪いんでしょ!?」
「俺等何もしてねぇし」
よく言うよ!
「アンタ等の見張りが下手くそすぎるのよっ!あれじゃあストーカーと一緒じゃない!文句も言いたくなるし!」
「おま、ストーカーって!」
「ギャハハハハ!」とお腹を抱えて笑う爆笑男にピシッと額に青筋が立つ。
……コイツ、本気で殴りたい。
「って言うか、そう思ったんなら何で陽に言わんねぇんだよ」
「……へ?」
陽に?
「あ」
「……お前、もしかして思いつかなかったとか言わねぇよな?」
「……」
「…マジ?おまっ……!馬鹿過ぎるだろ!!」
黙り込むあたしを見てまたもや笑い出す爆笑男。
ッキィィーー!コイツホントムカつく!!
けど、自分でも馬鹿だと思うから何も言い返せない。
あぁ……。
ホント、自分の馬鹿さ加減に呆れるよ。
自分を恨みたい……。