「はぁ……」
うなだれるように溜め息をつき、チラリと失礼男を盗み見る。
……うっわー。睨んでる。
さっきまであたしを睨んでいた男は、突然出現した爆笑男をこれでもかというぐらい冷めた目で睨んでいた。
そりゃあれだけ笑われたら睨みもするよね。あたしだったら絶対キレてるし。
……ってそんな事どうでもいいや。
それより、この状況をどうするかだ。
引っ越し早々こんな変な奴らに絡まれるなんて本当にツイてない。
っていうかさ、あの人意味分かんないんだけど。
ブランコ乗ってただけで“消えろ”とかさ。そんなに乗りたきゃ隣空いてるんだし、そっちに乗ればいいじゃない。
そう思いながら失礼男を睨んでいると、男はあたしの視線に気付いたのか、こちらに視線を移してきた。
「な、何よ」
別に睨まれてる訳でもないのに何故かたじろいでしまうのは、きっとこの男のまとっている雰囲気のせいだろう。
それと、あの漆黒の瞳。
あの瞳を見ると何故か目が離せなくなる。
意識ごと奪われる感じ。
「どっか行け」


