「じゃあ千鬼もついてくれば問題ないだろ?オレは女の子の着物なんて分からないし、どうせだったら恵都ちゃんの好きなやつのがいいだろ?」
――山吹さんってお兄ちゃんみたい。
兄弟がいたらこんな感じなのかと想像して、恵都の頬が緩む。
「山吹さんの気持ちは嬉しいんだけど、でも私こっちのお金なんて持ってないし、そんなに長いことお世話にならないだろうから洗ってなんとかするよ」
どうせすぐに必要なくなってしまうのだからもったいない。
着物なんて高いだろうし、と恵都は思う。
「恵都ちゃん金のことなんか気にするなよ」
山吹が眉尻を下げた悲しそうな顔で恵都の頭を撫でようと手を伸ばす。
その手を千鬼は払いのけ、
「これはオレの食いものだ。べたべたと触れるな」
無表情で山吹をけん制すると、いつの間に食べ終わったのか、さっさと自室に引っこんでしまった。
