恵都の話はつっかえつっかえで、要領を得ないところも多々あっただろう。
それでも千鬼はなにも言わず、恵都の背中を撫でてくれた。
「それであの山に倒れていたのだな?」
頷いて、恵都は幼い子供のように千鬼にしがみ付いた。
「ねぇお願い、早く食べて。もうあんなところにいたくない!」
きっとあの画像は学校中の生徒に見られた。
思い出しただけで恵都は震えが止まらなくなる。
――いったいなにをしたっていうの?
考えても考えても、胃の中が逆流しそうになるだけで、恵都には答えが見つからない。
それにもう、なにがいけなかったのかなんて、恵都にはどうでもいいことだ。
千鬼は食うと言った。
この美しい鬼が恵都の苦しみを終わらせてくれる、と。
恵都にとって、千鬼はまさしく救世主だった。
しかし、千鬼の返答は恵都にとって色よいものではなかった。
「すまない」
一言詫びた千鬼に、恵都はその胸を押し返して顔色をうかがった。
