その中に泣き出す子がいて、その子はクラスのリーダー的存在の女子の一番の仲良しだった。
暴言の中のことをつなぎ合わせると、どうやらその子の彼氏が恵都を好きになってしまったらしい。
それで別れてしまった、というわけだ。
恵都はその子の彼氏がどんな顔だったかもおぼろげで、自分に非のないところでイジメ――という名前で呼ぶのは恵都の尊厳が拒否するが、とにかく腹がった。
その彼氏に色目を使ったことなんてないし、恵都にとっては顔もはっきりと思い出せないような存在だ。
誤解ではなく、ただの八つ当たりだ。
でも誤解を解こうと口を開くと突き飛ばされ、言い訳するなと引っぱたかれる。
恵都のリストカットが始まったのは、この頃からだった。
でも、まだ本気で死にたいとまでは思っていなかった。
手首から流れる血を見ると妙にすっきりとした。
自身を傷つけるはずのその行為こそが恵都を生かしていた。
イジメは酷くなる一方で、それに比例して手首の傷は増えていった。
それでも恵都はなんとか持ちこたえていた。
その危うい均衡をたやすく崩したのは、一枚の画像だった。
