恵都は思わず柊の顔を見つめた。
南天によく似た面差しをしているのだ。
「お察しの通り、夜鬼に従っている南天とは兄弟なのですよ」
柊は穏やかに笑い、「私の方が弟です」と付け加えた。
恵都も笑顔を返そうと思うのに、顔の筋肉がぴくりと痙攣しただけだった。
「……あの、千鬼は大丈夫ですよね?」
恵都の問いに、柊は顔を曇らせた。
沈痛な面持ちが恵都の胸をえぐる。
「お前には大丈夫そうに見えるのかよ!」
代わりに口を開いたのは黄色の髪の少年――消去法で嵐だ。
嵐はつけっぱなしだった面頬を力任せに引きちぎり、畳に叩きつけた。
乾いた音が部屋に響き、尖った耳のついた面頬が畳の上を転がる。
恵都は口をつぐんだ。
髪と同じ黄色の瞳は怒りと憎悪に燃えている。
瞳孔は縦長に伸び、鋭く尖った牙がむき出しになっている。
怒りのせいで気が昂り、変化しているのだ。
嵐に怒りを向けられて、恵都は当然だと思った。
仕方のないことだと思う。
