ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛

その笑みに励まされるように、私は思わず素直な疑問を口にした。




「………ソウコさんは、どうして、朝比奈先生にそこまで………」




仕事もろくにせず、

何人もの女と同時進行で付き合っていて、

銀行口座の使い方さえ知らず、

金を用意してくれる他の女が捕まらない時だけ、無一文で飛び込んでくる、

自分勝手な男。



そんな男を部屋に住まわせ、食べるものを与え、生活全般の世話を見る。



どうしてそんなことができるのか。


私は不思議で仕方がなかった。




「そうねぇ………」




ソウコさんは組んだ脚の上で頬杖を突き、ふふふ、とゆったり微笑む。




「ーーー才能あるオトコに尽くすのって、

オンナにとって極上の快感………だと思わない?」




ソウコさんはほっそりとした指先でガラステーブルをこつん、と鳴らした。




「編集者であるあなたには、もちろん分かっているでしょうけど………朝比奈光太は間違いなく天才よ。

あの人が本気になって小説を書くところを見たら、誰だって鳥肌が立つわ」




朝比奈先生が姿を消した部屋にちらりと視線を送り、ソウコさんはゆっくりと瞬きをした。