ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛

「………先生、飲み過ぎじゃないですか?

大丈夫ですか? 足もとが覚束ないようですが………」




「へーき、へーき。

それより、この可愛い女の子たちは、どちらさまかな〜?」




先生は佐野さんたちにへらりと笑いかけた。



垂れぎみの目がさらに垂れて、やけに甘い印象になる。



佐野さんたちも笑みを浮かべて、




「はじめまして。

私たち、香月さんの同僚です」




と答えた。




「あ、そうなの? 真栄社の編集部の?

そうかあ、お疲れさまです。


君たち、ほんときれいでかわいいね〜」




「えー? お世辞がお上手ですね」




「お世辞じゃないよー、本当にきれいで可愛いもん。

お近づきになれて光栄ですー」