視界が滲む。 「さっきも、知ってたのに助けてやれなくてごめん。無事でよかった」 優しく、包み込まれて。 ほっとするのに、なぜか。 「っ、」 「別れたくなかった」 脳裏によぎる、あの香りと落ち着いた声。 「、うん」 彼の制服を小さく握る。 そうしてないと、壊れる気がした。 私の中の、何かが壊れてしまう。 「っ、梓真……」 「うん、ごめん。 千夜が犯人じゃないって証拠が、まだ見つからないから、なんとも言えないけど」