「一薫」 「わかってるから、睨むなよ~」 「離れねぇお前が悪い」 「はいはい~。怖いわ~」 彼が離れると、雅に唐突に頭を撫でられる。 ……? どうしたんだろう、と顔を上げれば、雅の手がやんわりと離れて。 「雅」 「碧の関係者から、連絡あったら言えよ」 「うん、わかった」 「ミヤってば、千夜ちゃんに甘いね」 「普通だろ」 「まぁ、〝そういう対象〟なら、普通かもしれないけど」