彼女じゃ……ないの?



「つか、暑苦しいから離れろ」



「えーやだー」



「……帰れ」



べりっと、雅が彼女を引きはがす。



そして、「幼なじみみたいなもん」と告げた。



「初めましてっ。西城 美織(さいじょう みおり)です」



にこりと、かわいい笑みを浮かべる美織さん。




「ミヤの、彼女──「だから違うって言ってんだろ」」



雅は、さっきから違うって否定するけど。



そんなに嫌がってないし、むしろ仲が良いって感じだ。



美織さんみたいな美人な彼女がいたって、何もおかしくないのに。



「どうした?千夜」



──なんで、こんなに胸がもやもやするんだろう。