「あー、……くそ」 彼の手で、目元を覆われてしまう。 真っ暗で、彼の顔どころか何も見えない。 「お前、それわざと……出来ねぇよな」 ぶつぶつ、彼が何かをつぶやいているけど。 聞き取れない。 でも、彼の手を退けるわけにもいかなくて。 「……困った」 「なにが、ですか」 「お前の可愛さに」 「っ……!」 またこの人は……っ! 私をからかってるんだ、と、思ったのに。