「……これは勘弁だけどな」 彼の、指先が私の目元に触れる。 途端に、顔が赤く染まった気がした。 「俺が泣かせたって、誤解されんだろ」 「あ、あの、」 「顔、赤いけどどうした?」 やっぱり赤くなってる!? 距離、近いし……っ! っていうかやっぱり、天然入ってますよね!? 「あ、の……南、さん」 「雅」 「え?」 「雅でいい。敬語もいらねぇ。 堅苦しいの嫌いなんだよ」