──……
「あら、千夜ちゃん。深夜にどうしたの?」
「汐乃さん……」
まだ朝方とは言えない深夜、リビングでひとり拗ねていたら。
姿を見せた汐乃さんが、下はスウェット、上はキャミソールにシーツを1枚羽織った、いかにも寒そうな格好でリビングに入ってきたから、思わずびっくりする。
……これって、深く聞いてもいいんだろうか。
「雅と喧嘩した?」
「そうじゃなくて……
み、雅ってば、先に寝ちゃったんですよ!」
はっきり口に出せなくて、遠回しに伝えてみる。
だけど汐乃さんはちゃんとわかってくれたようで、くすくすと笑って私の髪を撫でた。
「散々好き勝手しておいて、先に寝られたらムカつくわよね」
「ほんとですっ」
「でも、あまり気にしなくていいと思うわよ。
私が部屋を出てくるまでは起きてたけど、たぶんもう疲れて麗は寝ちゃってるだろうから」
「………」
「疲れてるならわざわざしなくても、って思うけど。
麗も雅もアレが愛情表現だから、許してあげて?」
愛情表現……
なんていうか、汐乃さんは心が広いというか、考え方に余裕がある。
優しくなだめられてこくりとうなずくと、汐乃さんは優しく笑った。



