静かな倉庫の中に、千夜の言葉だけが響く。
視界の端にいた一薫と一騎が、それを見てふっと微笑んだ。
「っ、自覚してるなら、」
「足掻くだけ無駄だって思いなよ。
この子のこういう真っ直ぐなところに、雅は惹かれたんだから」
「でもっ、」
「いくら自分が美人だからって調子乗ってたら、痛い目に遭うよ。
この子、総会はじまる前にずっとほかの子たちに雅の隣にいることを妬まれるんじゃないかって緊張してて、それでも雅の隣にいる」
「………」
「美人だから、そんな経験ないでしょ?
傲慢な性格をなおさない限りは、雅に振り向いてなんかもらえないと思うけど」
湊人は怒らせると怖いらしい。
つめたい声色でそう言われ、女たちも言い返す気力をなくしたのか、何も言わずに千夜の前から去った。
「どうするの、雅」
「いや、もういい。
千夜は言い切って満足してるだろうしな」
「う……あんなの言うのはじめてだから、緊張した」
つかれたようにそう言う千夜に小さく笑って抱き寄せると、耳元に唇を寄せる。
千夜のただただ真っ直ぐな言葉を聞いた瞬間に、思ったこと。
「やっぱりいい女だよ、お前」
【雅sideend】



